何をやっているかわかりますか?
事務所の窓から懐かしい光景を見つけました。ちょうど目の前が都営住宅なんですが、そこの駐車場で畳の張り替えを職人さんがやっていたのです。古い都営の建物なので、住人のほとんどはお年寄りです。きっと畳の部屋が二間くらいあるのでしょうか。
畳職人さんは手際よく作業を進めていきます。古くなった畳表を剥がし、新しいものを畳床に敷いて、縁でまわりを針で縫い付けていくその作業はあっという間に終ってしまいます。リズムある職人さんの動きに見とれてしまいました。
ズームで近づいてみると‥‥‥
畳は日本の生活において切り離せないものです。一時期、畳離れという現象がありましたが、また家の規模に余裕があると日本間を要望される方が多くなってきています。畳の芯となる床(とこ)も虫の湧かないスタイロなどに変わり、工場生産できる畳が多くなっていますが、私はどうもこれらの畳が気に入りません。やはり稲わらの畳床を使って畳を職人さんに作っていただいています。昔ながらの畳は自然素材であり、リサイクルも可能で、自然や健康にもやさしいものなのです。特に私は肌理が細かくて繊細な縁なしの琉球畳をよく使います。
畳は木造日本家屋のモジュール3尺×6尺(910mm×1820mm)が基準となっていますが、京間・江戸間(関東間)というように地方で多少の寸法の違いがあります。畳はもともと部屋の大きさを測ってから製作しますので、それぞれが固有の寸法になっています。
い草の香るできたての畳の上で寝転がる気持ちの良さを、みなさん感じていることでしょう。そして畳に対する思い出もいっぱいあると思います。畳の空間にいるだけで、なぜだか気持ちが落ち着くのも日本人の遺伝子なのでしょうか?
むかしどこにでもあった光景。このような光景がどんどん少なくなっていくのもちょっと寂しい思いがしますが、地道に畳を作り続けている職人さんがたくさん日本にいることを忘れてはいけません。いつまでも伝統の技は残ってもらいたいものです。
「伊勢崎の家」の和室。琉球畳はこんな感じです。床柱は香節、天井は竹。
畳のエリアはとても空間を異色なモノに変えてくれるので
ぼくも多様します。
にしても最近は確かに畳の部屋の需要が減ってる傾向があると思われますね。。
和をもう一度考える時期なんでしょうね。
古き良き和には必ず「もったいない」精神が組み込まれてますから、今の時代にはもってこいですよね!