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ホーム > アーカイブ - 2005年12月

ちょっと遅いX'masとちょっと早いお正月

今年も残すところ僅か!
ことし一番の出来事は?

仕事以外でたくさんの旧友と再会し、ブログ友達ができ、mixiでもたくさんの人と出会うことができたこと。これに尽きる!。
いろいろな人に、たくさんの人に囲まれながら自分がいるんだなとつくづく感じた1年でした。
いろいろな考え方、ものの見方を、いろいろな交流方法を通じて感じ取ることができました。

バタバタした年の瀬、女子のフィギュアスケートに見入ってしまいましたが、華麗で壮絶な選考会でしたね。視聴率も33%を超え、いかにみんなが注目していたかが判ります。全員が自分の力を100%出そうと、素晴らしい演技で感激のあまり涙が出そうになりました。観客もみんなわが事のように見守って、演技が終るとその都度スタンディング・オベーション。リンクが演技者+観客一体という感じでとても印象に残っています。結果はともかく日本女子フィギュア界の層の厚さを目の当りにしました。トリノでもノビノビと自分の演技をしてもらいたいと願うばかりです。

そんなこんだで、年末は28日・29日と名古屋の現場の打合せを最後に事務所も仕事を終えます。東京を1週間ほど離れ、お正月モードに入ろうとしています。

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2006/1/1はうるう秒で1秒遅いそうです。
よって今年大晦日の最後の1分は61秒ということ。
最後の1秒を噛み締めて、年を越そう!

クリスマスは終ってしまいましたが、メリー・クリスマス!
ちょっと早いけど、良いお年をお迎え下さい。
また来年もみなさん、よろしくね!
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[ 2005/12/26 18:13 ] 社会 | TB(0) | CM(4)

上野の森と吉村順三建築展

凍てつくほど寒い中、久しぶりに上野の森を訪れる。
ひとはいっぱいだが、道を歩くひと達もこころなしか物静か。そんな中、遠くの方からアコーデオンの澄んだ音色が冷たい空気を伝わって耳元に届く。ベレー帽を付け赤い服を纏った若い女の子がリズムに合わせ、左右にからだを動かしながらアコーデオンを演奏していた。笑顔がとってもかわいい。始まったばかりなのかだんだん人が集まってきた。芸大生なのだろうか?。

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アコーデオンを弾く女の子

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紅葉の残る上野の森

今回は東京藝術大学美術館で開催されている「吉村順三建築展」を見るための上野訪問である。
美術館の手前で「芸大アートプラザ」なるものを見つけ、ちょっと寄り道。武家藩の立派な木の門を抜けると、大学校舎に囲まれたこじんまりした中庭がある。奥のショップでは芸大卒・学生のアートが展示・販売されている。裸体の彫刻像などがおかれているのが芸大らしい。

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道路から見たアートプラザ

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彫刻のあるコート

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藝大に挟まれた道

さて美術館の前には、吉村設計の「軽井沢の山荘」(自身の別荘)の原寸矩計図(かなばかりず)パネルが堂々と立て掛けてある。インパクト大きい。
美術館に入ってもっとびっくり。あまりの多くの人で場内がなかなか動かない状態。いつの間にこんなに人がなかに入ったのだろうと素朴な疑問を感じるくらいだ。
模型・図面・写真・映像などでふんだんに演出され、内容がとても充実している。ゆっくりそれらを堪能しながらの時間を過ごした。

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「軽井沢の山荘」原寸矩計図

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東京藝術大学美術館(設計:六角鬼丈)

吉村順三氏は、深い人間愛を持ちつつ温かい目で洞察しながら住宅の設計に取り組んできた。建物が公共建築のように大きくなってもその姿勢は崩してはいない。皇居新宮殿の設計者に選ばれながらも、図面が出来上がる直前に役人との意見が折り合わず、純粋に建築を愛した吉村順三氏は設計者の座を降りてしまう。
東京藝術大学建築学科で教授として長く後輩の指導にあたり、建築界で活躍する多くの人材を育てた。そんな彼の建築思想や設計方法を文章や映像で表現されたものは数少ない。でも吉村順三氏の設計した建築がそれを多く語ってくれているように感じる。

私も多くを語らず、吉村順三氏がいくつか残された言葉の中からふたつだけ紹介しておこう。

「建築家として、もっともうれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき、家の中に明るい灯がついて、一家の楽しそうな生活が感じられるとしたら、それが建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか」

「建築は、はじめに造形があるのではなく、はじめに人間の生活があり、心の豊さを創り出すものでなければならない。そのために、設計者は奇をてらわず、単純明快でなければならない。」

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帰り道でピエロの大道芸人を見る。
[ 2005/12/13 13:41 ] 展覧会・音楽会 | TB(0) | CM(4)

ちょっとティーブレイク

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金沢旅行記が4編にわたり、ちょっとここらでティーブレイクとしよう。

私はお茶の専門家でもなんでもない。
でもお茶の愛好家、と言う程でもないがお茶が大好きである。
銘柄も詳しいわけではなく、味を知り尽くしているわけでもない。

でも最近美味しいお茶に出会うことができた。
設計させていただいた住宅のオーナーからの頂きものなのだが、ちょっと感動する美味!。
あくまで個人的嗜好の範囲を抜け出ていないので、「もっと旨いの知ってるよ!」って方もいらっしゃって当然。
お茶イメージの色彩らしい箱に何袋かはいっているのだが、「新茶・503」という。
「うおがし銘茶」というお茶やさんのもので、築地に本店があるらしい。銀座の「うおがし銘茶」には行ったことがある。遠州浜松で長く生活したもの(私含め)にとって、「お茶」といえば静岡県だろう!ときっとそこの出身者は自負しているだろう。ご多聞にもれず、工場は静岡県の島田市と袋の裏に明記されていた。浜松に住んでいると、「おっ茶おっ茶、おっ茶おっ茶の竹○堂!」というお茶のCMが、30年近く経った今でも頭の中にインプットされ続けている。

さてこの「新茶・503」についてだが、まず開封した際にすでにそのお茶っ葉の香りから期待を持たせる。香ばしい甘い香りがする。お湯を注いで待つこと2~3分。程よい色合いのお茶を湯のみに注ぎ、香りを堪能しながら口元へ。のど越しまろやか。ウ~ン!旨い!。ちょっと甘味があって香ばしさが口の中に残る。日本人で良かったと思う実感できる瞬間。

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お茶はお抹茶に限らず「おもてなしの心」が大切だと思う。人の家に伺った時、おいしいお茶が出されるとほっとして自然にそこから会話が始まったりする。人間関係を親密にしてくれる効力もあると感じる。
私の事務所でまず新人に教えることは、「お茶」の美味しい入れ方なのである。若い人(ああ歳とるとこう言い方になってしまうのか?!)はみんなペットボトルでお茶を飲んでいるのか?。きっとあんまり家でお茶をいれたことがない人が多いのでは。まずお湯の沸かしかた。沸騰させない、直前でやかんを五徳から離す。お湯を人数分の湯のみに8割くらい注ぎ、ちょっと湯飲みがあ温まったところで、急須に入れる。お茶っ葉が軽~くひらいてきたら、順番に湯のみに注ぐ。3つ湯のみがあれば、1→2→3、3→2→1、1→2→3、3→2→1という具合に同じ濃さになるよう何回かに分けて注ぐ。注ぐ量は湯飲みの7分目。あとは丁寧にお客さまの前に気持ちを込めてお茶を出す。ここまでまずできないと、設計うんぬんの話はしない!。
この「新茶・503」になってから、打合せ後の帰り間際に、「美味しいお茶でした。」と言って帰られる方が多くなった。その言葉だけでも打合せが上手くいった感じ(錯覚?)にさえなる。
お茶の体に及ぼす効能はいうに及ばず、私たちにとってとても大切なコミュニケーションを図る媒体としての「お茶」。これからもちょっとした時間での「お茶たいむ」を楽しんで大切にしていきたいと思う。
美味しいお茶(紅茶でもコーヒーでもいいよ)があったらみなさん、教えて!。

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PS.「新茶・503」は11月までの限定品で、また新茶の季節まで待たなくてはいけないようです。


[ 2005/12/09 14:10 ] 健康 | TB(0) | CM(15)

金沢を旅して4/武士とお坊さんの街(最終回)

初冬の金沢。
2日目は早朝の凄い一発の雷鳴の轟きで目が醒める。ホテルを出るまで冷たい雨。
さあ出発というときになんと雨が止んでくれた。
金沢はご存じ百万石の城下町。私の青春をすごした浜松も規模こそ違うが同じ城下町。城下町の町の名はダイレクトにその性格を示す。旅籠町、肴町、鍛冶町、曳馬町、伝馬町など。
歴史とそこに住んでいた人達の生活を想像しながら、街探索を試みるのがひとつの魅力だ。

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武家屋敷街にあった紅葉。
友禅染めのきものをまとった女性が
記念撮影してました。

まず「武家屋敷跡」の散策。
きちんと市の整備が行き届き、街並が綺麗になっているのが好感が持てる。清らかな水の流れる小川に沿って武家屋敷が並ぶ。この川に面した普通の住宅も土塀などでイメージを作り上げている。市内至るところにある小川(用水)はお城の防火と水利であると言われる。でも静かな街の中での自然の水の流れ・せせらぎほど、生活に潤いを与えてくれものはないと思う。

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街を流れる小川(用水)
流れは案外早い!。手摺なんかないのがいい!

足軽の住居。足軽のイメージというとみなさんどんなものでしょう?。かなり質素であることは想像がつくと思う。実際は小さくてもとても機能的なことに感心してしまった。縁を覆う雨戸を閉めるとひとつの部屋に変化して、低く押さえられた天井の書斎の上には、梯子でのぼることのできる空中納戸などがある。狭い空間にこそいろいろな知恵がいっぱいあるものだ。なんか今より豊かな生活空間じゃん!と思ったりもして。

ある程度規模の大きな武士の屋敷になると、塀に長屋と厩(うまや)の併設が認められ「長屋門」となる。武家屋敷になるとさすが中庭なども豪華で、今と変わらず庶民との生活の差は歴然である。

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長家門

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武家屋敷の門

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用水沿いの老舗


武家屋敷跡を後にして「犀川」を渡る。太平洋側にしか住んだことのない人は、川の水が北(日本海側)に流れるのにちょっと違和感を感じる。僕だけ?。

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雄大な犀川の流れ。

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にし茶屋街。夕景が美しい。

ここから寺町の散策に入る。実に70以上の寺院がひしめき合って建ち並んでいる。ここは金沢城の城砦都市構造をもち、すれ違うのもやっとくらいの細い小道が蛇行している。昔、敵の侵入を防ぐのに絶好の構造だったらしい。たまには行き止まりだったりしてまるで迷路の中のようなのだ。京都の街並の碁盤の目状態とは対照的な街構造。それにしてもどこを見ても寺院。喧嘩など無かったのだろうか思う程、集中している。逆にしっかりと協力体制が整っていたのだろうか?。適当な方向に歩きながら、知らない街をぶらぶら歩いているとまた犀川のほとりに出る。 

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細い路地ってこんな感じ。

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門のむこうにたくさんのお地蔵さん

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門の中がとっても気になる。

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黄葉を背景に。

真っ黒な雲に覆われたと思ったら大雨。しかも寒い。
犀川を渡り終え、兼六園方面へ歩いていると、雲の裂け目から青空が顔を出す。
また21世紀美術館を回遊して、最後県庁前の輪島塗りの老舗に立ち寄る。「輪島塗のお椀」と「葉脈の美しい朴の葉に輪島塗をほどこした花差し」を買う。ご主人の丁寧な説明を伺うとまた一層輪島塗りの良さが倍増する。伝統文化も大切に!。

真っ暗の中、飛行機は小松空港を飛び立ち、東京への帰路につく。                       

[ 2005/12/06 18:09 ] トレッキング・旅 | TB(0) | CM(8)

金沢を旅して3/21世紀美術館

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エントランスホーのガラススクリーンに
写し出された上空からの全景。

香林坊から兼六園に向う右手に「21世紀美術館」は静かに佇む。SANAA(妹島和世+西沢立衛)設計。
直径113mの正円の上に、4つの中庭と様々なヴォリュームの展示室が存在する。
曲面ガラスの中では、人が歩いたり、ウサギチェアに座ったりしているシルエットが遠くから見える。

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円形をした21世紀美術館。
正円のガラスの中に展示室の
白いボリュームが見える。

1日目は企画展「もうひとつの楽園」をじっくりと、2日目は建物全体をじっくりと鑑賞しながら廻り続けた。企画展内では写真撮影ができず、オープンスペースからの撮影となる。

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「レアンドロのプール」
薄く水を張ったプールのアート。
上から見るとこんな感じ。

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下から見るとこんな感じ。
必ず見知らぬ人とも手を振り合う。
そしてデジカメでお互い撮影。

この美術館は3つのアプローチがあり、どこからでも出入りできとてもオープンな印象を受ける。全周がすべてガラスであるところからもこの美術館の性格が伺える。市民みんなが金沢の街の路地空間として利用できる感じなのだろうか?。多くの子供連れの家族、若いカップル、ひとりぼっちで来ている人など様々で、美術館なのに不思議な活気を感じる。1日目にはウェディングドレスをまとった新婦さんがホールを歩いていたりした。美術館にあるレストランで披露宴パーティなのだ!。企画展以外の展示室も市民ギャラリーとなって多くの人たちが美術鑑賞をしていた。とても「生きている」空間となっていて、今までの美術館では見られない独特の雰囲気を持っている。

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レストランでは結婚披露宴が。

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加賀友禅がモチーフの絵画ホール。

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中庭を突き抜けるガラスの廊下。
人の動きがひとつのアート作品のよう。

美術館のコンセプト(建築家の意図)はとても明解で、建物を見たり、中を回遊することでダイレクトにその意図を掴むことができる。
企画展の展示室はおのおの独立していて、展示室から次の展示室に移動する際に、必ずオープンスペースに出ることになる。そこは外部まで見通すことのできる爽快感がある。空間自体がとても自由なのだ。よっていつも異なる光景を楽しみながらの移動となる。円形の外周ガラスがとても効果的だ。また中庭にも面し、大空がすぐそこにある。美術館だとずっと暗がりの展示室を移動することが多いが、ここはそんなことはない。いつでも深呼吸できる雰囲気を兼ね備えている。企画室も一人のアーティストにひとつの展示室となっていて、とても分かりやすく好感を持てた。美術館を訪れた人たちを自然にアートの世界に誘導し、決して無理強いすることなく、美術鑑賞できる空間を作り上げていると感じた。

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中に人がいっぱい。
手前の広場でも親子連れが遊ぶ。

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ホワイエに光が差し込む。

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長椅子のあるポカポカのホワイエ。

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地下に行く階段とガラスのエレベーター。

きっと春になれば、美術館のまわりの芝生の上では家族連れや子供達がピクニック感覚で訪れるに違いない。これから寒い冬を迎える金沢の街の中で、この美術館が人々の心を暖めてくれることに期待したい。
金沢に行かれた時は「21世紀美術館」を訪ねると、旅の想い出がより深まること間違いなし!。
[ 2005/12/02 21:11 ] 建築 | TB(0) | CM(6)