20世紀を代表するデザイナー、チャールズ&レイ・イームズ(家具で有名・イームズチェアなど)が残した1冊の本を手に入れました。 「POWERS OF TEN」(宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅) それはそれは綺麗な写真と絵で構成され、世界的ロングセラーの名著なんです。
POWERS OF TENとは「10のベき乗」を意味するのですけど、10の2乗は100、10のマイナス1乗は0.1とか中学校の時に習ったのを覚えていると思います。 さてこの本は「10の25乗」の世界から「10のマイナス16乗」の世界をタイムマシーンに乗ったかのような気分で旅をすることになるのです。とても緊迫感があって、この本を読み(見)終った時はこの先の世界への興味まで、相当な余韻を残すことになってしまうのではないですかねえ。 10億光年のかなたからマクロな視点で地球の方を見つめ、マイナスのベき乗のミクロの視点で人間の生命体、DNA、素粒子の世界まで入り込んでいく旅行を体験できるなんてそうないのではないかと思います。
10の21乗メートル・銀河の庭
10のマイナス8乗メートル・二重らせん
そしてこの「POWERS OF TEN」にはとっておきの映像版DVDもあるのです。(私は未入手!) ちょっとした体験版をここでは紹介しておきましょう。まさにタイムマシーンに乗って地球まで辿り着き、ミクロの決死隊に変身して生命の中を旅する錯覚にさえとらわれてしまいそうです。このイームズの映像はスタンリー・キューブリック監督の超名作「2001年宇宙の旅」(1968)にも大きな影響を与えたとされてます。
「POWERS OF TEN」、一見の価値、大ありって感じですね! 自分という人間の存在確認、宇宙における地球の意味、地球と人間との共生意義、生命の神秘など、本を1ページ1ページめくりながら10のべき乗をひとつづつ減らしていく楽しみを一度味わってみて下さい。 余談ですが、私の仕事、建築設計は設計図の10のマイナス3乗(=1mm)から、実際の建物の10の2乗(=100m)の範囲の世界で展開させていただいております。