満月の夜に『皆既月食』は起こる。
満月の光はイメージを超越し輝かしく、お陰で都会も暗黒世界とはならない。
12/10(土)から曜日が変わろうとするまさにその瞬間に都会が闇夜に襲われた。

“Total eclipse of the moon” by Canon EF70-200mm F4 L IS USM
煌々たる満月の輝きは左より欠き取られ、徐々にその明るさを減衰させられていく。古代の人々には光の喪失はかなりの恐怖であったことだろう、、、
白く輝いていた月もどんどんと地球の陰に喰われていくに従い、もがき苦しむかのように仄暗い赤色に変貌していく。なんとも言えない不気味な時間の移ろいであった。

都会の水平線から顔を出し、天空へ昇り始める満月、、、
用賀クラブの小さなルーフテラスで三脚を構え、地球に喰われる月をレンズで追う。冷たい肌さす風にも負けじと、その変貌する月の姿を楽しむことに集中する。かつて古代ギリシア人は月が丸い影で喰われていく姿を見て、自分たちの住む地球が丸い球体であることを知っていたという。まさに自分が生かされている地球の大きな影を実感できたことに感銘した。
宇宙的スケールを肌で感じたと同時に、地球上の事象のちっぽけな事にも気づく。人間の争いなんて宇宙からすれば存在しないのと等しいに違いない。争いを好む者はその存在の小ささを、地球に喰われた月の大きさから学べばいい。
それにしても素晴らしいスケールの天体ショーであった、、、

時間の経過とともに、、、

皆既月食になった瞬間は赤い月に変貌していました、、、不気味な様相、、、