「Less is More」は近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの精神を表出させた言葉である。
厳選された少ないマテリアルで、とても豊かな空間を作ることを求めたのである。
「“Poorな”材料であっても、“Richな”空間を生み出すことは可能だ」といつも言い聞かせて、私は設計活動をしている。
近代建築の行く末に陰りがみえたころ、ポストモダンという建築運動が起きロバート・ヴェンチュリは近代建築を「Less is Bore(退屈)」と評した。
いいかげんで安易な“Less”が横行し、“More”が消失していったときにミ-スの精神性は崩壊する。
厳選された“Less”による豊かな“More”の創出が、これからの建築に求められるひとつの方向だと思う。
ミース・ファン・デル・ローエはドイツ生まれのアメリカの建築家。
「ファンズワース邸」(ユネスコ世界遺産)、「シーグラムビル」「バルセロナ・パヴィリオン」(写真掲載)など数々の名建築を残した。

では。