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ちょっと横須賀まで

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横須賀美術館

目の前は日本における航海の難所とされる浦賀水道。ひっきりなしに大型のタンカーやフェりー、そしてプレジャーボートが右から左からひっきりなしに行き交っている。
そんな海と対峙して、先月オープンしたばかりの山本理顕設計の「横須賀美術館」は建っている。

美術館は緩い丘の上にあり、正面には海、残りの三方は山に囲まれている。ゆっくりと広い芝庭を横目にアプローチする。低く押さえられた建築は宝石箱のようなガラス建築。ガラスの中の、孔のあいた薄膜で包まれた空間が展示スペースとなっている。展示の空間もメリハリが効いていてなかなかいい感じ。

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ロケーション(美術館HPより)

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アプローチを振返るとそこは海。浦賀水道

そんな中でオープン記念企画展「生きる展」が開催されている。9人のア-ティスト達が自分の感性で「生きる」について表現している。どれも現代アートでその表現方法がユニークであった。途中から前をいくおばあちゃん2人の作品批評が面白くて、あとをついていった。「あ゛~、なんだい、これは!」「ひゃ~こりゃ、気持ち悪いねぇ~!」「これはファスナーかい?」とか言いつつ作品にさわってしまう始末。でも何かを感じとって帰ったことだろう。(笑)

この美術館、観音崎がすぐ近くということもあって、ヴィジタ-が様々だ。前述したお年寄りなども多い、カップルも多い、建築系の人?も多い、子連れのファミリーも多い。いろんな人たちがいろんな芸術に触れあうのはいいことだ。
テラスでランチをしているとピヨピヨと一定リズムの音がする。すると麦わら帽子をかぶった青いプラスチックバケツをぶら下げた両親が子供の手を引いている。その子供のサンダルからあの音がするではないか。そのままファミリーは美術館の中へと消えてゆく。展示室でもピヨピヨと音を鳴り響かせていたのだろうか?

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美術館エントランスホール。館内撮影許可をいただけなかったので館外からの撮影
ガラス屋根を通して柔らかな自然光がはいってくる天井の丸い孔


さてこの美術館、車をパーキングに入れた瞬間からどうもしっくりこない気持ちを最後まで拭い去ることができなかった。いったい何だろう?。

■ひとつはアプローチ動線。海からまっすぐ美術館にのぼっていく感じはとてもいい。でも入口が判らない!。しかもレストランの真ん前を通らなくてはいけないのだ。美術館でアートを観賞する前に、ペペロンチーノの香りを嗅いでからアプロ-チするのはいかがなものか?。

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レストランの前を通って美術館にアプローチ。右手が美術館エントランス

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この状態でエントランスを認識するのは至難の技。人の流れについてゆくしかない?

■もうひとつ、丘を利用しているので駐車場は地下にある。私としてはこの暑い時期、とても地下パーキングはありがたい。しかしまたもや葉山の美術館と同じく駐車券が取りにくい。しかも駐車スペ-ス1台分の巾が狭くドアパンチが恐い!。どうもこのあたりから私のしっくり感が狂っていったようだ。

■もうひとつ、これが一番の問題だが、どうも運営ソフトと建築ハードの噛み合いが良くないのだ。せっかくの山本理顕氏のすばらしい建築空間が運営でうまく活用されていない印象を受けた。受付の後ろの雑然とした汚さ。そこまでしなくてもいいだろうと思うくらい無造作に置かれた案内サインボード。アート鑑賞どころではないくらい私の気は散ってしまう。運営母体の問題か館長の意識レベルの問題なのか?。

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レストランではゆったりと(できるのだが‥‥)

■最後はやっぱりレストラン。あれだけのローケーションに恵まれていれば美術館と分離されていても運営が成り立つはずだ。ホスピタリティーはイマイチ。せっかく独立してお食事だけでも楽しめるようになっている計画。もっといいおもてなしで運営していけば、昼夜問わずヴィジターが増えること間違いないと思う。夕景の浦賀水道を通り通り過ぎてゆく客船などを目の前にして、美味しいワインとイタリアンをいただけたらどんなにロマンチックなことだろう。

まだ駆け出しの美術館であったが、その恵まれた環境、建築を活かしつつ、いつまでもヴィジターに親しまれる美術館に成長していく姿をこれからも見守っていきたい。
いろいろクリティカルに書いたが、美術館への熱いエールと思っていただければ幸いである。

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展望室からの眺め。ガラスの屋根から続く浦賀水道。建築家の意図がわかりやすい!

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美術館別棟として「谷内六郎館」がある。文藝春秋の表紙でもお馴染みの画家。
この美術館のそばにアトリエを構え創作活動をしていた。とても好感の持てる作品がいっぱい!

[ 2007/05/28 15:10 ] 展覧会・音楽会 | TB(0) | CM(16)
美術館って一つ一つ個性がありますよね。でもこれだけのロケーションなのにもったいないですね。ロケーションだけでも人を呼べるのにもっとサービスと清潔なすっきり感があれば倍増しそうですよね。私は滋賀県と三重県の県境くらいにあるMIHOミュージアムに何度か行きました。京都からはオープンで走って約1時間と丁度ドライブにもいいのです。何処かの宗教団体の持ち物らしいのですが、建物はすばらしいです。
[ 2007/05/28 23:14 ] [ 編集 ]
美術館のおもてなしってすごく大事な要素だと思います。
都の庭園美術館にいったことがあるのですが、
おもてなしが、けっこう気高いというか、
すましている印象がありました。
建物が宮さまのお屋敷だったからかなあ。

横須賀美術館、6月の半ばごろにいこうっと。
サンダルのピヨピヨ音は、規制してほしいところですけど、
開かれた美術館をめざすなら、
大目にみてしまうのかなあ。
[ 2007/05/28 23:43 ] [ 編集 ]
おはようござます。
いまや公共建築もみんなの財産という意識で作られなければ、親しみをもたれませんよね。
ここ横須賀美術館もいろんな仕掛けがしてある美術館です。きっとまだ学芸員さんたちも慣れてないなど、不安要素が見られますが、そのうちに改善されて良くなっていくことと思います。
新書でも最近出てますが、金沢市の21世紀美術館は館長の思想レベルも高いことがあって、金沢市を活性化させるくらい市民に親しまれた美術館つくりに成功してますよ。
さてドライブコースの美術館っていいですね!。kookieさんのMIHOミュージアムって、一般の人も入場できるんですか?。知りませんでした。神慈秀明会が母体の美術館だったと思いますが、美術館建築は、I.M.ペイという世界的建築家の手に拠るものです。今度名古屋に帰った際、行ってみようかな?
[ 2007/05/29 09:32 ] [ 編集 ]
おはよう!
「おもてなし」いい言葉です。
やはり美術鑑賞の雰囲気ってとても大切だと思うんだよね。静かに観賞したい絵画もあれば、もっとポップアートの場合(子供のピヨピヨ音はダメだろうけど)子供が無邪気にアートについて親と元気に会話している姿は、いいなぁと思います。作品に触れている子を見て叱らない親がいるけど、腹が立ちますね、これは親の問題ですが。
横須賀美術館もこれだけ恵まれた環境だから、これからのいろんな企画が楽しみです。広い芝の広場を使ったり、屋上を使ったり、可能性はいろいろとあると思います。
ねぎぼうずさんも一度足を運んで、感じてみてくださいね!
[ 2007/05/29 09:47 ] [ 編集 ]
こんなのが出来てるなんて,知りませんでした。
魅力的なロケーションですね。(いつも思うのですが,アングルがいいですね。)最近の流れで正面性というか入口を明確にしないプランが目につきますが,これも1階は通り抜け出来て,屋上も外からアプローチ出来そうな感じなんで,市民に開かれた美術館なんでしょうね。言われる様に運営サイドは大変でしょうけれど,うまく建物を活用出来れば素敵ですね。
そういう意味では,金沢は成功ですね。僕も行きましたが,この手法でも成立するんやって思いましたから・・
では。


[ 2007/05/29 16:18 ] [ 編集 ]
今日は。
建物もロケーションも素晴らしい美術館ですね。
私もアートは好きで、よく足を運びます。
レストランも、綺麗ですね。
サービスや付帯設備については、華美である必要はないのですが、不満や目に付くと言うことがないようさりげなくあってほしいものです。
[ 2007/05/29 17:30 ] [ 編集 ]
こんばんは。
ロケ-ションはホントに最高の場です!
車で走っていてもこのガラス箱が目に飛び込んできますから、知らない人でも立ち寄りたくなると思います。
金沢21世紀美術館のように全く正面性を持たずにどこからでもアプロ-チ可能な美術館もめずらしいですが、そのシステムがまた市民の理解と共感を得て、ホントに大成功してますね!。いくつかの入口もペイブされた通路が誘導してくれます。
横須賀の方は、アプロ-チは明解なのだけど、建物のそばに寄った時、どこが入口だか私でもわからないのです。ちょっとこれは?と感じました。
でもこれから何かきっと対策を執られることでしょう。もう少し時間が経ってから再訪問してみようと思ってます。
まだこれからです!横須賀美術館。
[ 2007/05/29 21:23 ] [ 編集 ]
こんばんは。
なかなかいいロケーションと観音崎、横須賀と楽しめるところがありますので、ここの美術館にも足を運んでみて下さい。
QPを気持ち良く走らせるための絶好の距離のところにあります。横浜横須賀道路の終点から20分程度。海もあってイイところです。ちょっとindyには潮風は良くないかもしれませんね。
もう少しすると、美術館もバタバタ感がなくなると思います。まだオープンして1ヵ月も経ってないので大変な時期と思います。もう少ししたらぜひ!
[ 2007/05/29 21:30 ] [ 編集 ]
素敵な美術館ですね。
私は美術館ひとつみるだけのために3時間ほど運転することも結構あるので(苦笑、そのうち是非観て見たいとおもいます!
建築家の意図がわかりやすく、清々しい海が一望できるなんて贅沢ですね~。
しかもレストランも素敵、シンプルにワインとつまみだけでチョコっと寄りたい、そんなレストランのような雰囲気・・・
天気がいいときに、本を持参して読んだりぼーっと景色を眺めたりと、穏やかな時間がすごせそうですね。
[ 2007/05/30 08:21 ] [ 編集 ]
写真を見て素敵な美術館だな、と思ったけど、レストランの前を通らなきゃいけないのは、やっぱり頂けないですね。
レストランのホスピタリティーもそれじゃあもったいないですね。
上から建物をとってる写真の屋上のジオメトリー模様は何なんでしょう?
あ、作品を触るおばちゃんたち、私もおばちゃんのひとりです…。マテリアルがわからないものとか、セキュリティーいないと必ず触って確かめてしまいます。
[ 2007/05/30 08:31 ] [ 編集 ]
PS: 関係ないですけど、横浜だったかな?マリーさんのドキュメンタリーは完成したんでしょうか?
[ 2007/05/30 08:32 ] [ 編集 ]
おはようございます。
この美術館、まだソフトがしっかりしていないところはありますが、これからもっともっと良くなっていくと思います。
なんせこのロケーション!。近くに横須賀の港、観音崎の灯台は歩いてすぐのところにあります。その先に行くと大きなマリーナ。
今の時期、屋外でワイン飲みながら本を片手に、なんていうのもいいですね。これは建築家の意図でしょうが、レストランの前を美術館ヴィジターがいっぱい通り過ぎます。意図的に動線を絡ませ、建築の活性化を図っているのでしょうか?。ちょっと理解し難いところなんですが、もう少し様子をみていこうと思ってます。
それにしても3時間の美術館の旅!情熱的ですね!!
私も見習いたいものです。(笑)
[ 2007/05/30 09:45 ] [ 編集 ]
おはよう!
というわけで、美術館エントランスとレストランの動線計画は、「やむ得なく」でなく「意図的に」と思えてきました。動線を交えないようにすることは簡単なことだと思うのですが、敢えてそれを操作しているように思えてきました。これからの運営にかかってきますね、この計画は!。楽しみです。
ルーフの幾何学模様は、たぶん気分でしょう(笑)。全体がカチッとした建築ですから柔らかい雰囲気のものがほしかったのでは?。雲、くらげ、アメーバ、いろんなものを発想していけばいいじゃない?!。
おおっ、触るおばちゃんでしたか!。そういうアートだったらいいですけど、そこらへんは難しいところですね!
[ 2007/05/30 09:55 ] [ 編集 ]
横浜マリーですよね。
このあいだ伊勢崎町の方をあるいていたら映画館でやってました。
見に行けるかなぁ~?
凄く評判はイイようですよ!(ごく内輪ですけど)
[ 2007/05/30 09:57 ] [ 編集 ]
リゾート感覚で楽しめそうな美術館ですね。海をテーマにした作品展でもあれば、かなりハマりそうなロケーション。ただ、都心からは遠いなあ…。
[ 2007/05/31 06:45 ] [ 編集 ]
おはようございます。
僕は相変わらずこの美術館だけを目標に行きましたが、まわりではいろいろなリゾートを楽しめますから家族連れも多かったですね。でも駅からはバス利用となります。海岸沿いの道を走りますので気持ちはいいと思いますが。
バイクや車のドライブコースとしては最高です。都心より高速を使ってアプローチできますし、特に渋滞もないし、ぜひ一度足を運んでみて下さいな!
[ 2007/05/31 10:10 ] [ 編集 ]
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