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金沢を旅して3/21世紀美術館

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エントランスホーのガラススクリーンに
写し出された上空からの全景。

香林坊から兼六園に向う右手に「21世紀美術館」は静かに佇む。SANAA(妹島和世+西沢立衛)設計。
直径113mの正円の上に、4つの中庭と様々なヴォリュームの展示室が存在する。
曲面ガラスの中では、人が歩いたり、ウサギチェアに座ったりしているシルエットが遠くから見える。

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円形をした21世紀美術館。
正円のガラスの中に展示室の
白いボリュームが見える。

1日目は企画展「もうひとつの楽園」をじっくりと、2日目は建物全体をじっくりと鑑賞しながら廻り続けた。企画展内では写真撮影ができず、オープンスペースからの撮影となる。

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「レアンドロのプール」
薄く水を張ったプールのアート。
上から見るとこんな感じ。

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下から見るとこんな感じ。
必ず見知らぬ人とも手を振り合う。
そしてデジカメでお互い撮影。

この美術館は3つのアプローチがあり、どこからでも出入りできとてもオープンな印象を受ける。全周がすべてガラスであるところからもこの美術館の性格が伺える。市民みんなが金沢の街の路地空間として利用できる感じなのだろうか?。多くの子供連れの家族、若いカップル、ひとりぼっちで来ている人など様々で、美術館なのに不思議な活気を感じる。1日目にはウェディングドレスをまとった新婦さんがホールを歩いていたりした。美術館にあるレストランで披露宴パーティなのだ!。企画展以外の展示室も市民ギャラリーとなって多くの人たちが美術鑑賞をしていた。とても「生きている」空間となっていて、今までの美術館では見られない独特の雰囲気を持っている。

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レストランでは結婚披露宴が。

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加賀友禅がモチーフの絵画ホール。

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中庭を突き抜けるガラスの廊下。
人の動きがひとつのアート作品のよう。

美術館のコンセプト(建築家の意図)はとても明解で、建物を見たり、中を回遊することでダイレクトにその意図を掴むことができる。
企画展の展示室はおのおの独立していて、展示室から次の展示室に移動する際に、必ずオープンスペースに出ることになる。そこは外部まで見通すことのできる爽快感がある。空間自体がとても自由なのだ。よっていつも異なる光景を楽しみながらの移動となる。円形の外周ガラスがとても効果的だ。また中庭にも面し、大空がすぐそこにある。美術館だとずっと暗がりの展示室を移動することが多いが、ここはそんなことはない。いつでも深呼吸できる雰囲気を兼ね備えている。企画室も一人のアーティストにひとつの展示室となっていて、とても分かりやすく好感を持てた。美術館を訪れた人たちを自然にアートの世界に誘導し、決して無理強いすることなく、美術鑑賞できる空間を作り上げていると感じた。

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中に人がいっぱい。
手前の広場でも親子連れが遊ぶ。

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ホワイエに光が差し込む。

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長椅子のあるポカポカのホワイエ。

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地下に行く階段とガラスのエレベーター。

きっと春になれば、美術館のまわりの芝生の上では家族連れや子供達がピクニック感覚で訪れるに違いない。これから寒い冬を迎える金沢の街の中で、この美術館が人々の心を暖めてくれることに期待したい。
金沢に行かれた時は「21世紀美術館」を訪ねると、旅の想い出がより深まること間違いなし!。
[ 2005/12/02 21:11 ] 建築 | TB(0) | CM(6)
美術館は建築も美術品の要素を兼ね備えてる
特殊建築的な部分がとても楽しいですよね。
建築がエンターテイメントと融合できて、
その完成度の高さの表れが「21世紀美術館」なんですね。
日本に帰ったら行きます☆

それにしても、良い写真に面白いコメントと記事です。
いつもいつも関心させられてばかりです。。。
ぼくも最近帰国が近いせいか、様々な場所を徘徊?してますが、
ここまで楽しんで見れてない気がします…。
最近のお気に入りはイサムノグチ庭園美術館です。
でもまだまだ見落としがありそう…。。。
あらためて、Architectさんの偉大さを感じてます☆

[ 2005/12/03 01:00 ] [ 編集 ]
どうも美術館と言うと、アートよりそのアートを包み込んでいる空間の方が気になってしまいます。鑑賞者をいかに心地よく、アートがいかに映えるか、などという
観点で美術館を見てしまうクセがついているようで。
でも本当に21世紀美術館は久しぶりに感動できた美術館でした。金沢という古都の歴史残る城下町の真中に現代アートを対象とした美術館というコンセプトもよかったのでしょう。きっと家族の散歩・恋人同士の待ち合わせ、ちょっとお茶をしにという感じで親しみある「場」ができたと思います。また行ってみて下さい。
来年は青森に面白い美術館ができます。その際、もう少し足を北海道までのばしイサムノグチの遺作となった「モエレ公園」に行きたいななんて考えています。地球への彫刻、大きなテーマが魅力です。
(ちなみに私は偉大でもなんでもないので)
[ 2005/12/03 10:27 ] [ 編集 ]
写真からもスペースの開放感が良くわかります。是非一度訪れてみたいですね。私も美術館では作品よりも建物自体の方が良いと思う事が多いです。アートをしていてもずっとアメリカにいるので日本の美術館には疎いですが、愛知県豊田市美術館と東京の原美術館が好きです。Architectさんの日記いつもとても勉強になり、私の楽しみのひとつです。文章を書くのもとてもお上手ですね。
[ 2005/12/04 09:34 ] [ 編集 ]
あたし妹島さん好きデス
これも雑誌ではほんとによく見かけたけど
基本的には建築は行ってみないとわからないなぁと思う でも実際行った人の感じたことっていうのは伝わるものですね!何を伝えたいのか考えながら写真撮ったりするからなんだろうな・・・金沢の街歩きと合わせて余計に行ってみたくなりました
[ 2005/12/04 13:55 ] [ 編集 ]
今日当たりは金沢は雪とのこと。1週間で天候も変わってしまいました。MIHOさんのところは暖かいのですか?
きっとMIHOさんのアートも展示空間を本来、選ばれることと思います。小さな作品でもとてつもなく大展示室に置いてみたいとか、アートの置かれる「場」ってとても大切ですよね!。今回の企画展示はとにかく、ひとり一企画室(1ボリューム)でしたから恵まれた環境でした。ただ真っ白な空間。正面の壁だけが丁寧に磨かれたツルツルの白い壁。なんなんだろう?と不思議がっていると、ボランティアの学芸員が真っ白な薄い手袋を貸してくれるんです。「これを付けて壁をさわって感じて下さい、このアートを!」というではありませんか。フーんと思いつつ手袋付けた両手で真っ白な壁をさわると、なにか感じる。それはアーティストの手作り感や一生懸命に凄い大きな壁を塗って磨いたプロセス。一番わかりにくアートだったけど、なにか感じたアートでした。意味不明ですみません。ボランティアのおじさんもアーティステではないのだが、一生懸命にこのアートへの触れ方を教えてくれるのもほのぼのした感じで好感がもてました。
豊田市美術館も完成間もないころ。僕も行きました。谷口吉生氏設計ですばらしい美術館です。大好きな日本の建築家です。ニューヨーク近代美術館(MoMA))の設計者でもあります。実は最後の日に、金沢市にある谷口さん設計の市立図書館にも足を運びました。日曜日の朝早くから市民がいっぱいの、愛された建築になっていました。こんな図書館が近くにあったらな~。
MIHOさんこそ情熱的な文章で、僕も楽しみにしていますよ!
[ 2005/12/04 14:47 ] [ 編集 ]
建築っていろいろなアプローチがあっていいと思います。
建築家の書いた文を読んででから実際の建築を見に行ったり、なんの情報も持たず見に行って感じたり、思いっきり情報を頭の中に詰め込んでから建築にふれてみたり、どんな方法でもいい。でも間違いなく実際の建築に触れあうことがどんなに大切か、いつも身にしみて感じています。
人間だから感じ方が違うのは当たり前。けえさんと僕だって違うはず。共感するところもあるはず。
正直、妹島さんの建築は面白いと同時に、不安な面(耐久性、etc)もあると感じていました。今回もそんなことが頭の隅にあっての訪問だったのですが、この21世紀美術館はその不安な面を吹き飛ばすくらい、もっと凄い建築のパワーを感じたのが正直なところです。施工した竹中工務店もかなりディテールフォロー必死だったと聞いていますが、それは当たり前で、発注者+設計者+施工者のお互いの理解とコラボレートがないと完成まで辿り着けないと同時に、このような公共建築は市民に親しまれません。これは大きな建物から小さな住宅に至るまで共通のことですが。

けえさん、金沢の街探索と21世紀美術館にぜひ一度行っていろいろ感じてみて下さい!。
[ 2005/12/04 15:14 ] [ 編集 ]
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