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金沢を旅して4/武士とお坊さんの街(最終回)

初冬の金沢。
2日目は早朝の凄い一発の雷鳴の轟きで目が醒める。ホテルを出るまで冷たい雨。
さあ出発というときになんと雨が止んでくれた。
金沢はご存じ百万石の城下町。私の青春をすごした浜松も規模こそ違うが同じ城下町。城下町の町の名はダイレクトにその性格を示す。旅籠町、肴町、鍛冶町、曳馬町、伝馬町など。
歴史とそこに住んでいた人達の生活を想像しながら、街探索を試みるのがひとつの魅力だ。

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武家屋敷街にあった紅葉。
友禅染めのきものをまとった女性が
記念撮影してました。

まず「武家屋敷跡」の散策。
きちんと市の整備が行き届き、街並が綺麗になっているのが好感が持てる。清らかな水の流れる小川に沿って武家屋敷が並ぶ。この川に面した普通の住宅も土塀などでイメージを作り上げている。市内至るところにある小川(用水)はお城の防火と水利であると言われる。でも静かな街の中での自然の水の流れ・せせらぎほど、生活に潤いを与えてくれものはないと思う。

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街を流れる小川(用水)
流れは案外早い!。手摺なんかないのがいい!

足軽の住居。足軽のイメージというとみなさんどんなものでしょう?。かなり質素であることは想像がつくと思う。実際は小さくてもとても機能的なことに感心してしまった。縁を覆う雨戸を閉めるとひとつの部屋に変化して、低く押さえられた天井の書斎の上には、梯子でのぼることのできる空中納戸などがある。狭い空間にこそいろいろな知恵がいっぱいあるものだ。なんか今より豊かな生活空間じゃん!と思ったりもして。

ある程度規模の大きな武士の屋敷になると、塀に長屋と厩(うまや)の併設が認められ「長屋門」となる。武家屋敷になるとさすが中庭なども豪華で、今と変わらず庶民との生活の差は歴然である。

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長家門

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武家屋敷の門

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用水沿いの老舗


武家屋敷跡を後にして「犀川」を渡る。太平洋側にしか住んだことのない人は、川の水が北(日本海側)に流れるのにちょっと違和感を感じる。僕だけ?。

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雄大な犀川の流れ。

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にし茶屋街。夕景が美しい。

ここから寺町の散策に入る。実に70以上の寺院がひしめき合って建ち並んでいる。ここは金沢城の城砦都市構造をもち、すれ違うのもやっとくらいの細い小道が蛇行している。昔、敵の侵入を防ぐのに絶好の構造だったらしい。たまには行き止まりだったりしてまるで迷路の中のようなのだ。京都の街並の碁盤の目状態とは対照的な街構造。それにしてもどこを見ても寺院。喧嘩など無かったのだろうか思う程、集中している。逆にしっかりと協力体制が整っていたのだろうか?。適当な方向に歩きながら、知らない街をぶらぶら歩いているとまた犀川のほとりに出る。 

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細い路地ってこんな感じ。

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門のむこうにたくさんのお地蔵さん

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門の中がとっても気になる。

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黄葉を背景に。

真っ黒な雲に覆われたと思ったら大雨。しかも寒い。
犀川を渡り終え、兼六園方面へ歩いていると、雲の裂け目から青空が顔を出す。
また21世紀美術館を回遊して、最後県庁前の輪島塗りの老舗に立ち寄る。「輪島塗のお椀」と「葉脈の美しい朴の葉に輪島塗をほどこした花差し」を買う。ご主人の丁寧な説明を伺うとまた一層輪島塗りの良さが倍増する。伝統文化も大切に!。

真っ暗の中、飛行機は小松空港を飛び立ち、東京への帰路につく。                       

[ 2005/12/06 18:09 ] トレッキング・旅 | TB(0) | CM(8)
とても充実した金沢の旅だっとようで、
とても金沢に行きたくなったというのが
今までのブログを読ませてもらった感想です☆
情緒溢れる街並み、加賀100万石と謳われた時代の栄華さと、時代背景を体感することができる場のように感じました。
いやぁ~、日本は奥深いですね。
[ 2005/12/07 08:20 ] [ 編集 ]
上の方も書いてるように、私もArchitectさんの4回にわたる金沢旅行記を読んできれいな写真をいっぱい見せて頂いて、とても金沢に行きたくなりました。昔の日本建築って面白いですよね。まだ幼少の頃、昔からの大きなお家に住んでいる友達の所に遊びにいくと狭い階段を登って屋根裏にある隠れ部屋みたいな部屋がとても面白くて、そこに行くのが楽しみだったことを覚えています。
私は残念乍ら一度も日本海側の土地に行った事がありません。いつか行けたらいいなあと切に思います。
[ 2005/12/07 08:58 ] [ 編集 ]
金沢の街は一日あれば、歩いてでも廻れる感じなのですが、伝統工芸などを味わいながらとなるとちょっと時間が必要ですね!。

金箔工芸、加賀友禅、輪島塗などひたすら職人さんたちの地道で腕を必要とする工芸を実際手にして見てみると、大切に保存していかなくては!と思うばかりです。
金をひたすら薄く延ばす、生糸をひたすら編み上げる、漆を根気強く何回も塗り込む、というのは、雪国でならではなのかもしれません。だって冬は外に出られず、閉ざされるわけですから。

どこにでもある伝統文化は、その土地の固有のものであると同時に、みんながそれを認めあっていけば、決して消えていくこともないと思います。
日本に帰国の際は、ぜひ金沢を訪れてみて日本の良さを感じて下さい。
[ 2005/12/07 17:33 ] [ 編集 ]
金沢の街は行ってみると、なんかしっとりしています。渋谷みたいにザワザワしてないし、市場を除けばとても静かな街だったと印象が残っています。
武家屋敷もお寺も昔のままの雰囲気が残り、なんとなくですがその時代にワープした感じにさえなります。そんなふうに頭の中で想像しながら街を歩いてしまったりもしました。次の角から刀さげたチョンマゲ武士が曲がってくるのではとか、あの門の奥で坊さんが立ち話しているのでとか、そんな空想の世界にいけそうな感じでしたよ!。たぶん厚ぼったい灰色の雲にどんよりと覆われていたせいもあるでしょうが。
建築も中に入って体感できるのが良かったです。スケール感・生活感について時代を越えての体験は、「今」を認識する上でとても必要だなと感じました。便利だけが全てではない、合理的だけが全てではないと教えてくれるのが、いにしえの建築です。
MIHOさんのお友達の家もとても面白かったでしょうが、そんなふうにずっと記憶に残る建築があるって、とても幸せだと思いますよ。
日本海のイメージってあると思うけど、以前、山形の酒田に土門拳記念館(谷口吉生設計)を見に行った時もやっぱり、厚い雲が空を覆っていました。ちょっと大平洋側との風土の相違を感じますが、その多様なところが日本のいいところでもあるのでしょう。そんなこと言ったら、アメリカの方がもっと多様性に富んでいるよね!。
外国にいればこそ、日本の素晴らしさをより一層感じることができるチャンスです。MIHOさんも一度、金沢へ行ってMIHO!。
[ 2005/12/07 18:01 ] [ 編集 ]
アメリカはこちらに住む1年半前に3ヶ月程ひとりでグレイハウンドに乗って色々行きました。多分30州くらい廻って色んな土地があるので、実感としてはアメリカの中には4カ国くらい違う国が入ってるなあという気がしました。グレイハウンドはまだ20代だったし何も知らなかったから乗れたような気がします。今はもう怖いし臭いし2度と乗りたくないけど。
私は旅行って実はあまりしたことがないんです。外国も母の仕事につきあって1度シンガポールとマレーシアに行っただけで、あとはこのアメリカしか知りません。若い頃はアメリカなんて全く興味なくて、インドとネパールに行きたいとずっと思ってたましたけど、今はミャンマーとタイに行きたいです。残念乍らなかなか実現されませんけど。
おっしゃるとおり、アメリカは最初の何年間かは西海岸にいるのでこの開放感が好きでしてけど、13年もいると本当に日本の自然とか建築とか懐かしくて愛おしくて仕方なくなりますね。もっと歳をとったらこちらに来た事を後悔してしまうかもしれない、と時々思う事もあります。なるべく1年に一度は日本に帰るようにしていますが、そんなに長期にもできないのでなかなか色々廻る事ができないでいます。でも、本当に金沢は魅力的ですね。これからもArchitectさんが行く所の写真を楽しみにしています。
[ 2005/12/08 11:16 ] [ 編集 ]
外国での生活体験のない僕は、むしろMIHOさんがとっても羨ましいですよ!。特に世界共通語である英語圏での長い生活は、どれだけこれからの渾沌とした世界を生き抜いていくかを考えると、とてもプラスだと思います。まあ生まれ故郷への哀愁はどうにもならないでしょうが‥‥。
グレイハウンドって知りませんでした。犬に乗って旅行?などと思ったりして。「怖い、臭いし…」もあてはまる?。
ネットで調べてみたら、しっかりわかりました。現在のバスはだいぶ良くなったのかしら?。いい経験してますね!。僕は実はバスに弱く、今でもあまり長いのは酔い気味です。アメリカ縦断だったらやっぱりレンタカーかな?。
でもアメリカではMIHOさんはMIHO さんだけしかできないアメリカでの生活があると思うので、楽しんできて下さい。今となっては日本も近いのですから。
日本では年末を迎え、慌ただしくなってきました。旅もそう簡単にはいけない状態で、近場の移動がやっとの僕です。アメリカは年末って感じあるのかな?。
[ 2005/12/08 14:32 ] [ 編集 ]
バス弱いですか。私も本を読んだりするとすぐ酔います。グレイハウンドはやはりお金のない人達が多く乗っていて、学生やあとバックパックを背負ったヨーロッパ人も多いです。カルフォルニアではメキシコ人が多いです。あと刑務所から出て来てお家に帰る人とか:)アメリカ中部の方ではメキシコ人も多いですがアメリカ人でも言ってる事がさっぱりわからない。人種がまるで違うようです。
若ければそれなりに面白いです。乗ってる人たち、皆デビッドリンチの映画にでてくるような変な人達ばかりです。私は3ヶ月の旅の半分は宿泊費をうかせる為にバスの中で寝ました。車を盗んでパーツを売りさばいてる人、刑務所からでてきたばかりの人、メキシコから密入国した人、働いてる間に奥さんに車もテレビも洋服もとられて出て行かれちゃった人達にも出会いました。でも怖いのはバスの中より夜中に目的地についた時の停留所でした。今となっては面白い思いでですが、もう勘弁ですね。
クリスマスの飾り付けなどは色々な通りやそれぞれのお家でも外にいっぱいしますから、それなりに綺麗ですが、ロスで雪降りませんから、いまいち実感がわかないです。クリスマス前は皆プレゼントを買いに走っててとても混んだりしますが、クリスマスは皆家族と過ごします。ですから、ロスアンジェルスなどはよそから来ている人達は皆帰ってしまうし、お店も全て休みになるので人っ子一人見かけないような状態になります。
お正月はないです。大晦日の夜は、若い人達はクラブなどに言って12時にハッピーニューイヤーとシャンパンなどで、キスしたりするようですが、それ以外には何もありません。1日が休みなだけで2日から全く普通の生活に戻りますから、こちらにきて正月気分を味わった事は一度もないですね。お正月はやっぱり絶対日本ですよ!今回は帰れませんが…。
[ 2005/12/08 15:06 ] [ 編集 ]
単一民族国家で生活していると、多民族国家の大変さが実感として良くわかりません。体験するに限る!。MIHOさんのように強い人間であればいいけど。
雪のないクリスマスもちょっと寂しいかな?。うちの近所でももうクリスマスツリーに電飾がきれいに飾り付けられ、寒い帰り道でほっとする一瞬があります。クリスチャンでもないのに。
そうか、お正月がないのは日本人としては残念。時間は普通に流れているのに、気分一新とその瞬間にかこつけて、新年を祝うのもいいものだね!。実家の名古屋のお雑煮は、もち菜とかまぼこ程度が入った薄味の醤油仕立てのおすましに、はながつおをかけたシンプルなものです。といっても実はあんまりお餅は好きではありません。お正月に1個だけ食べます。
ここ数年、熱田神宮に初参りに行くのも恒例の行事となっています。元旦から人ごみの中に突入!。
[ 2005/12/08 17:14 ] [ 編集 ]
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