『戦争』
人間はいつまでもこの愚かな「戦争」という地球上での行為に終止符を打つことができていません。人類の遺伝子には「戦う」という本能が組み込まれているのでしょうか?。
さて今回『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』という本を読んでみました。戦争の近代史が書かれた本の中ではベストセラーになっている本です。なぜ読むことになったか?、、、それは東大で日本近現代史を専門とする加藤陽子教授が、高校生を相手に特別講義したもので、読みやすいだろうと、、、、と、安易な考えが間違ってました!!(大汗)。中学や高校の日本史の授業では、この近代史って最後の方で時間足らずで、サ~ッて流される傾向があり、自分自身も戦争に対する考えも頭の中で整理できておらず、一度じっくりと日本における「戦争」を勉強してみようと思ったのがきっかけです。

この本のキーワードは『問い』にあります!。この『問い』を読者(本書では高校生)に自ら自問させるところに大きな意義があります。「なぜ、あの時、ああなってしまったのか?」「こうはできなかったのか?」、戦争の歴史を顧みる時に、自分の身をまさにその時代にタイムスリップさせて、その場で必要な自問する対話形式がとても興味深い内容になっています。自らの頭で考えることで、歴史を紐解くきっかけになり、「なぜ?」という解明にも自分なりの考えをまとめる大きなきっかけができることに成果をあげていると感じました。
本書は、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変と日中戦争、太平洋戦争をテーマにして語りと問答が展開していきます。講義に参加(選ばれた?)した高校生もIQレベルが高いのか、鋭い質問もチラホラ、、、改めて自分の無知を知ることになります(汗)。
内容は400ページ、行間のないぎっしりと書かれた文章を読んでみてください。でも行間にない部分を読み取っていくことに、この本の真髄を垣間みることができるのも事実です。「正義の戦争」「報復の戦争」「国連認可の戦争」どれをとっても自分自身が納得できるものではないのは明白なことです。戦争は人が死にます。合法なものであるはずがなく明らかに『非道』なものです。
人は本来、人らしく死ぬべき存在だと思います。それはこの世界において、老衰であったり、病死であったり、本望ではないにしろ事故死であったりします。それは人が生きる上での避けられない運命、そして宿命でもあります。
しかし「戦争による死、戦死」だけは違います。人らしく「死」を迎えていないのです。『人が人として死ぬ』のではなく、『人が国のモノとして死ぬ』という嘆かわしい事実なのです。そんなことを行間に読み取りながら、『戦争』の歴史を少しだけ勉強できた思いです。誰もが戦争なんか望んではない!、でもどこかで多くの人の命が「意味なく」消えていきます。いつになったら人類から『戦争』という行為が消滅するのでしょうか?、、、、、
戦争を知らない僕たちの世代、、、中学生になる頃からこんな戦争を論ずる問答が必要なのではないでしょうか。自分で戦争について『問い』自分で『答えを見いだす』ことで、これからの世界も少し『Change』していけるような気がしたのは僕だけではないはずです。
明日、本屋さんに行きます。