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LEONARD FOUJITA

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「藤田嗣治展」カタログ表紙
「タピスリーの裸婦」

日曜日はなんとか夕方まで雨ももち、東京国立近代美術館で開催されている「藤田嗣治展」に行ってきました。
初日は平日にも関わらず3000人の観客が押し寄せてどうなることと思いきや、展示室は人は多かったですがゆっくりと十分に藤田の絵画を観賞できる環境でホッとした思いでした。
今回の展覧会の特徴は、藤田嗣治の一生を通じての代表作が約100点海外からも集められ、画家としての一生を絵画を通してみることができるのです。藤田自身の生きざまそのものがダイレクトに語りかけてくるものになっています。

藤田嗣治はフランスにおいて一番良く知られた日本の画家であることはご存じだと思います。私の師事していました建築家・芦原義信氏のいとこにあたる人で、何となく身近な画家(あくまで感覚的なものです)と錯覚していたのも確かです。大学卒業後、藤田嗣治の絵画には心打たれるものがありましたので、今回の企画展はとても楽しみだったのです。

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猫好きの藤田嗣治のはずがなぜか犬?

藤田は東京美術学校(芸大)卒業後26歳の時、憧れのパリへ留学します。ピカソ、ルソー、モディリアーニなどと交友を深めつつ、藤田の絵画に影響をもたらします。やがて「面相筆を使った細い黒い輪郭線」と「なんとも言えない柔らかい乳白色の肌色」を特徴とする絵画が好評となり、藤田作品はその豊かな表現力が評価されるようになります。エコール・デ・パリの一員としても、パリっ子たちの中で一躍有名人としても、パリ社交界にデビューを果たします。それによりますます世界的に有名になっていくのです。
世界を渡り歩き、日本に戻ってきた際は第二次世界大戦の戦争画を描き続けます。知られてませんが日本では一番多くの戦争画を描いた画家になってます。日本画壇からは藤田に画家としての戦犯を押し付けられ、またパリに戻ります。そこで藤田はフランス人へと帰化し、尊敬するレオナルド・ダ・ヴィンチから一部をもらって「LEONARD FOUJITA」となりそれ以降、日本の地を踏むことはありませんでした。
ランスのノートルダム=ダム・ド・ラペ礼拝堂のフレスコ画が遺作となりますが、藤田は死んだらここで眠りたいと願いながら晩年の創作活動を全うすることとなります。

今回の展示会は7時代に大きく分かれています。私はその中の「裸婦に世界」特に「砂の上で」という作品の前でずっと絵画の世界に吸い込まれました。二人の裸婦が砂の上に横たわる絵なのですが、良く見ているといろいろと見えてくるのです。砂の柔らかい立体感がゆっくりと浮かび上がるのです。心地よい感覚と混乱する感覚が混じりあい、不思議な世界にはまってしまいました。

波瀾に満ちた藤田の人生は当時の状況を考慮すると、想像を絶するものがあったと思います。アヴァンギャルドな精神と繊細な気持ちを持ち合わせた画家なのは間違いありません。トレードマークのおかっぱ頭も、留学当時にお金もなく自分でカットしていたそうで、「自分の目の前の社会がよく見えるように」というのが由来とのこと。
時代と共に生きた証を残したレオナール・フジタの作品。自分の目でその時代を感じてみて下さい。絵画の前で想像してみてください。きっとフジタからのメッセージがあなたの耳もとに届くと思います。
この展覧会はフランス人となった藤田がまた日本人として戻ってきたという大きな意義あるものにもなっていると思います。

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東京国立近代美術館(谷口吉郎設計)

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美術館前のサイン

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皇居の桜を目の前にお茶でもいかが?

[ 2006/04/03 22:13 ] 展覧会・音楽会 | TB(0) | CM(10)
Architectさん、いつも色々なものを見て栄養とってますね。
昔の芸術家は多かれ少なかれ皆大変な思いをしていますよね。アートヒストリー上、平和な時代には良いアートが出て来ないともいいますが…。私もがんばろ。
[ 2006/04/04 04:18 ] [ 編集 ]
時代背景を考えるととてつもない決心のもと、自由の国パリへ出かけたと思います。
でも藤田の精神はいつもどこでも自由であったに違いないのでしょう。まわりから善くも悪くも見られようが、生涯自分を見失わなかったその姿には感銘します。
とにかく藤田の描く絵画の傾向や変化に、彼自身の葛藤や想い
が凄く伝わってきたのです、今回の展覧会は!
MIHOさんも創作活動、ファイト~!!
[ 2006/04/04 09:51 ] [ 編集 ]
はじめまして。
とても充実した展覧会だと思います。藤田の、紆余曲折であったろう人生も、少しだけ垣間見ることがでし、とても満足しました。
[ 2006/04/05 12:39 ] [ 編集 ]
ようこそ!!
たまにポツポツと藤田の作品をみることありますが、やはり今回くらい作品が集中すると圧巻ですね!
彼のライフスタイルも非常に興味あるし、もう少し彼について勉強しようと思います。
以前在籍していた芦原建築事務所にも藤田のペン画が飾ってありました。親戚だからいいですね!
またよろしく!
[ 2006/04/05 14:23 ] [ 編集 ]
ミクシィの藤田コミュから来ました。はじめまして。
これから行こうと思ってます。人がどのくらい来ているのかが、気になるところです。やはり平日の昼間狙いで行くべきでしょうか…。
[ 2006/04/05 20:17 ] [ 編集 ]
ようこそ!はじまめして。
mixiで拝見しましたが、なんか面白そうなことされてますね!
興味津々です。
立川談志一門なのでしょうか?
マイミクのルー大柴は本物のようですね!
 
話を戻して、できれば平日昼間狙いがよかろうと存じます。
展覧会は人が少ないに限ります。絵画を楽しんだあとは、皇居を眺めながらコーヒーなんていいですよね。
私は日曜日でそんな状態ではありませんでした。
しっかりと藤田絵画を堪能してきてくださいませ。
[ 2006/04/05 20:50 ] [ 編集 ]
はじめまして。mixiから参りましたBEEDLEと言います。僕も藤田展に行って、稚拙ながらmixiに日記を書かせていただいたのですが、Architectのブログを読ませていただきまして、僕の知らなかった、新しい藤田の心の歴史を見た気がします。とても勉強になりました。
僕もまた絶対行きたいです☆
[ 2006/04/05 22:14 ] [ 編集 ]
ようこそ!はじめまして。
ちょうどBEEDLEさんのmixiを読んで戻ってきたところです。
NHK日曜美術館や芸術新潮での特集なんかで知識を頭に入れていくと、より一層藤田に惚れ込んでしまいますよね!
とにかくフランス人の藤田が魂の行き所を求めて、日本にやっと戻って来られた意義ある展覧会でした。そう一度行きたくなるような気にさせますよね!
[ 2006/04/05 22:36 ] [ 編集 ]
私もこのところテレビや雑誌でやっている藤田情報チェックしてます。家族で行く予定よ。

実家の母も藤田の絵が好きです。(ポーラ美術館で購入した「誕生日」という題のポストカードを娘の誕生日に送ってきたほど)
4・5年前になりますが、銀座でたまたま入った画廊に藤田の作品が多く、オーナーらしき人と意気投合。
どう見ても買いそうに無いオバサン相手に楽しく30分もお話して下さいました。暇持て余してたのかな?
[ 2006/04/13 12:00 ] [ 編集 ]
違うチャンネルでやってますね!
毎回見てしまいます。
銀座の画廊にも藤田作品ありますか!
マイミクの方が藤田のリトグラフ展をご覧になったそうですが、高い作品から27万円のリトグラフまであったそうです。
27万円ならと思ってしまう金銭感覚の無さ、やっぱり僕も絵葉書にしておきます。
絵画やリトグラフは美術館で!!
[ 2006/04/13 13:37 ] [ 編集 ]
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