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愛知万博と大坂万博

半年にわたって開催されてきた愛知万博が幕を閉じた。みなさんは会場に足を運ばれたであろうか?予想をこえる入場者・特に近郊住民としてのリピーターによって資金的には黒字になったそうだ。誰も予想していなかったに違いない。私は仕事を兼ねて7月初旬に万博に行ってみた。午後からの見学となったが、その日の入場者数は8万人。今思えば少なかった方だ。初めて乗ったリニアモーターカー、チケット売り場は混雑もなくさーっとこなせた。会場は私にとっては人だらけでうんざり。企業館は入場のため並ぶのが嫌で、待ち時間0分の外国館を中心に観覧してきたら、夕方までになんと42国のパビリオンをまわってしまった。相当な駆け足で。

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スペイン館:
foa設計(横浜大桟橋国際旅客ターミナル等を設計)
カラーセラミックブロックの構成。スペイン伝統
建築工法「セロシア」(格子窓の意)がモチーフ。

さて今回の万博のテーマ「自然の叡智」であったが、訪問者は何を目的に訪れたのであろう。ここのところ万博開催の意義さえ疑問視される時代がきているのだが。冷凍マンモス?踊るロボット?外国館の物産店?。会場を廻れば廻るほどコンセプトがわからなくなってくる。「自然の叡智」がダイレクトに見つける事ができないのである。会場を大きく回遊するグローバル・ループは緑の大地を傷めずに何本もの鉄骨柱で支えられ、外国パビリオンもリサイクルできる簡単な構造の中で展示演出をしている。外壁に緑を這わせた建物、屋根・屋上緑化等、がんばっているのだがもうひとつ訴えかけてこない。

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インド館(グローバル・コモン-1)前の
色鮮やかなお花

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グローバル・ループ:全長2.6km、幅21m

大坂万博の時は、私も小学生であったが東京から新幹線に乗ってわざわざ出かけた。高度成長期の日本の活力、世界的な建築家によるパビリオンは建築に携わっている私にとって深い記憶となって刻まれている。パビリオンはいろいろな構造形式で演出された。アメリカ館の空気膜構造(後に東京ドーム建設の際にはその経験が評価され竹中工務店が施工)、オーストラリア館の吊り構造、お祭り広場のスーパートラス。建築家丹下健三がこのお祭り広場の大屋根デザインをテクノロジーを結集してまとめた後、岡本太郎がこの人工的な屋根に大きな穴を明けてしまえ!ということで、縄文的な「太陽の搭」が大屋根から頭を出すことになる。豪快なアンチテーゼ。
1970年の大坂万博は日本中、世界中からのヴィジターにより大成功を収め、日本はまた一段と活力を増していった。

今回の愛知万博は日本に何か変化をもたらすであろうか?何も残らない。万博に何かを期待する時代はもう終わったのではないだろうか?。次の万博は何をテーマに開催されるのであろうか?でもみんなが何回も時間を掛けて足を運んでいるその姿をテレビで観ていると、日本もまだまだ元気なんだな!とちょっとほっとしまうのは私だけなのであろうか?

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ゴンドラに乗って夕景の「大地の塔」をのぞむ。
手前は「こいの池」

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「なだ万」(会場内)の懐石料理

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「こいの池」水上ショー(PM7:00~)
 :噴水膜に映像を写してのショー



[ 2005/09/30 11:25 ] 展覧会・音楽会 | TB(0) | CM(5)
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2005/09/30 11:49 ] [ 編集 ]
私たちの世代にとっては、やはり大阪万博のインパクトが強すぎて、ほかの万博はどうしても印象が薄いのかな。

私も行きましたよ、大阪万博。月の石も見たし、ソ連館も並んだ。好きだったのはみどり館だったかな。当時の最新の映像技術(360度スクリーン)ってすごいと思った。

愛知万博についても、結局行かれなかったけれど、ミーハーな私はどうしてもテーマパーク的要素に期待してるふしがあるな~。

ただ、万博が終了して、万博効果による景気が会期前に戻ったとき、どうなるのかが少し心配です。
[ 2005/10/01 07:03 ] [ 編集 ]
確かに日本人にとっての大坂万博の印象は強烈でしたね。あの当時は本当に月の石見たさに2時間並んでも平気でした。月の石1個に科学技術のすべてが含まれているような感じでした。今回はとても無理。愛知万博は僕にとって経験のひとつとしては残るけど、他に残るものがなかったのが残念でした。日本の景気は解らないけど、名古屋の景気はとりあえずこのまま元気路線で進むのではと感じています。
[ 2005/10/01 12:13 ] [ 編集 ]
何回も足を運ぶうちに、段々とこの博覧会が何なのかがわかって来ました。

多くのパビリオンが共通して提示していたメッセージは「今、私にできることは、なんだろう」と言うものでした。
環境についてどうのこうのしようと思うなら、まずは各人の意識改革から、と言う事の様です。

万博に市民が参画したのは今回が史上初で画期的だったらしく、しかも好評でした。
NPOやNGOへの関心が万博で高まったのを受けて、名古屋市もそう言う市民活動を積極的に応援する方針を打ち出しています。

きっとこの辺が、万博が残す成果で、これをきっかけに社会も徐々に変わって行くでしょう(愛知での変化が全国に広がるかどうかは、ちょっとわからん)。

もう万博は、国や企業が意地の張り合いをする場所ではなくなってしまった、と言う事なのかも知れません。

…でも、何回も行った人でないとそれがわからないって点が、やっぱり痛いですよね。
[ 2005/10/02 17:58 ] [ 編集 ]
愛知万博が万博という名で開催されていなければ、評価できるものは多いと思います。おっしゃるように市民参画という面でも成功なのでしょうが、万博の開催意義はもっと多くの人を巻き込んでの問題提起と
その解決・啓蒙だと思います。
建築では3R(リデゥース+リユース+リサイクル)という動きが始まろうとしていますが、成功するか経緯を見届けたいと思っています。
[ 2005/10/03 12:55 ] [ 編集 ]
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