医療改革法案が国会の委員会で強行裁決された。
法案骨格は
(1)七十五歳以上を対象とする健康保険の新設
(2)高所得の七十歳以上の窓口負担率を三割に引き上げ
(3)高額医療の自己負担限度額の引き上げ
だそうだ。
改革もいいが、庶民の受ける診療内容をまずよく把握してくれよと切に思う!!
以下、長々と書きしたためるので、興味ある方は我慢して呼んでくださいませ。
■第1章 中病院にて
昨年の暑~いお盆に体調を崩した。お盆休みで近所の診療所も休みで途方にくれた。
熱、めまい、動悸などが夜になってもおさまらず、タクシーを呼んで近くの中規模病院夜間救急外来に行った。幸い他の急患もおらず、熱を測ってすぐに若い医師に診てもらえた。しかしなんか自信無さげな表情と対応。
「軽い熱中症でしょう、点滴をしておきましょう、念のため血液検査もしておきましょう」
とそのままベッドで2時間点滴。血液検査も愛想のいいおばちゃん看護士で、一回目の採血は血がドボッと溢れ失敗。2回目になんとか成功。検査結果も20分後に出て、さっきの若い医師が顔だけカーテンから出して、「特に問題ないと思うけど、原因わからないけど白血球がちょっと多いかな?。もし心配だった明日大きな病院で診てもらって!」と言われた。なんか白血球が多い原因があるだろって!!
そのうち救急車が来て、おじいさんが運ばれてきた。経過は省略するが、結局深夜になんでも無いということで、病院から追い出されたのだ。タクシーとか乗せてあげればいいのに!「これはひどい病院にきてしまった!」と思ったが後の祭り。点滴を終え、抗生物質薬をもらって、タクシーで家まで帰った。二度と来るもんか、こんな中病院!!!

■第2章 大病院にて
翌日はやはり調子よくなく、11時ころに中病院の先生に従って大病院に行った。凄い診察待ち!!
結局2時間待っても呼ばれない。妻が何度か確認しに行ったが、「もう少しお待ちください」と何回も言われるのみ。3時間後、「Architectさん」と呼ばれ、やっと診察かと思いきや、「まず点滴をやっておきます」と若い看護士。診察なしでいきなり点滴かよ!。点滴チェアに座って待つこと20分、僕の後ろで点滴待つおじいさんに「Architectさん、お待たせしました!」と別人に呼び掛けている。僕はここだよ!と心の中で叫ぶ。
若いインタ-ンみたいな医者がまず採血用の針を射す。しかし採血後、点滴チューブに接続しようとするがうまくいかない。挙げ句の果てにブザーでベテラン看護士を呼ぶ。ヘタクソ!このインターン!!そうこうするうちに点滴チューブの中を空気が流れていく。血管に空気が入っても大丈夫なの?
点滴2時間が終り、やっと医師の診察。「どうしました?」「こうこうこういうわけで‥‥」「血液も異常ないしなんでもないでしょう」おいおいこんな問診だけかよ!触診もないのかよ!と頭にきたので「のど診るとか、おなかの触診もないのですか?」と言ったら、「じゃ、横になって下さい」「じゃ、横になるよ!」と結局どこが悪いかわからず終い。もう夕方になっていた‥‥。二度と来るもんか、こんな大病院!!!

■第3章 義姉の診断
家で大人しく横たわり、医師の義姉に電話で状況報告。容態を話すと「まず風邪の場合、ウイルス性のものと細菌性のものがある。白血球が増えているなら細菌性の風邪を疑うべき。中病院で処方された抗生物質が効き、翌日の血液検査では異常が発見されなかったのね。細菌がいなくなるまで抗生物質を飲んで休養しなさい」と言われとてもほっとした気持ちになった。
適格なインフォ-ムドコンセントがどんなに患者を心から安心させることか実感できた一瞬であった。
■第4章 産むそして産んでから
今たまたま、小児科の先生と、産婦人科の先生の住宅の設計に関わっている。
どちらも医師の数が減少して社会問題になりつつある。どちらも時間に区切りがつけられない、病院を離れることができないなどかなりハードな医療環境に置かれている。でも患者は小児科や産婦人科がなくなってしまっては困る。それこそお先真っ暗な社会問題なのだ。幸いにして?患者さんは途絶えることがなく、一日の診療は相当な激務になっていく。それがまた医者の卵達が避ける理由にもなっていく。この悪循環をどう解決していくか良く考えないと、私たち患者サイドもそのうちに途方にくれる環境に追いやられてしまうと思う。現に東北地方で産婦人科医がいなくて家の近くでお産ができない事が現実となってきているのだ。子供を産みたくても生めない環境、子供を産んでも子供を診てもらえない環境。
どうなる日本?どうする日本?
たくさんの優秀で立派なお医者様もたくさんいること信じるしかない!
まず国は医療政策として、安心して診察してもらえる医療環境の整備に力をいれてほしいと切に願う気持ちでいっぱいだ。
何でもお医者様にお願いすることを諦めて、自分で対処する割合を深めるしかないと思っています。
それが、医者の過剰労働を減らす特効薬ではないかと思っています。