
さてこの建築が何だかわかりますか?
人間最期にお世話になる建築「斎場」です。
人はみな生きてきた証をこの地球に残し、人々の記憶にその人の人生を刻んでいきます。
自分の死後を考えることは現時点ではないにしろ、最期にふれる建築がすごく大切な気持ちになりました。
人間の尊厳、そして魂の昇華する場としての斎場という建築を考えた時、自分自身でその場が選択可能であればいいなあと感じた次第です。
この斎場は建築家・伊東豊雄氏の設計。(表参道ドッズ・銀座ミキモト・仙台メディアテーク)
「瞑想の森」という岐阜県各務原市にある墓地公園の中にある市営斎場です。
閑静な場にしっとりとたたずみ、静かな時を刻み続けています。軽やかに浮遊する白い屋根はそよ風にたなびきながら、その姿はシルクの布のようでもあり、天女の衣のようでもあり、そこに訪れた人の心に大きな印象を刻みます。
今回特別にお願いをして見学させていただきましたが、斎場のホールでは静かにモーツアルトの曲が響いていました。

ホールは蓮の浮かぶ池に面する。

ホールから自然をのぞむ。

橙色壁の中が池に面する家族の待合室

北側の落ち着いたホール

炉前ホール。左が収骨室、右が炉室

池越しの全景
お盆ということもあり、故郷に戻って先祖供養のお参りもしてきました。ちょうどこの斎場も完成したばかりで、見学にはとてもタイムリーでした。斎場の方々のご厚意で、短い時間でしたがこの空間を感じることができ、とてもいい体験をさせていただきました。
神妙な心持ちにさせてくれる空間の様ですね。
最後はここで終わるのも良いなあ、まだもう少し先だとは思うけれど。